今回の仕事がまた切羽詰まってきたので、今日は殆ど一日中張り込みをしていた。Monte Napoleone近くで今まで全く気づかなかった好ポイントを見つけた。非常にオシャレ確率が高く、結構遠くの方からじっくり観察することが出来る。というわけで、話しかけた人数はいつもの比じゃないくらい多かった。しかし、Monte Napoleone族はやはり強敵だった。殆ど断られてしまった。考えられる理由としては、撮られるのが嫌い、恥ずかしい、時間がない、などまあ色々だ。しかしこのポイントはとても良い。明日も一日中ここで張り込んでみよう。数打ちゃ当たる作戦。
今日話しかけた中に、これがもう本当に素敵な女性がいた。もう今まで話しかけた中だけではなく、見逃してきた人達を含めても一番素敵だった。別に背が高くて細くて顔立ちが整っていてというわけではないのだが、可愛素敵なのだ。彼女は僕の前をさっと通り過ぎた。僕はその子のことは全く見ていなくて、後ろ姿で、あ、可愛い格好しているなと思い後を追いかけた。
ーすいません
「ん?何か用?」
ーあなたイタリア人ですよね?
「そうだけど」
ーえっと、今僕はweb関係の仕事をしていて、ミラノのおしゃれさんを撮っているんです。
「へぇ」
ーで、あなたのところ何枚か撮らしてもらっても良い?
「そうなんだ・・・・えぇっ!?あ、あたし!?あたしを撮るの(かよっ)!?」
ーそう、ダメ?
「無理無理無理無理無理!!絶対無理!」
ーうーん、一枚だけ。
「ごめんなさい、でも絶対にダメ!」
ーそっかぁ、わかりました、ありがとう。
とまあ、こんな感じだったのだが、振り返った彼女の顔を見た途端、あまりにも素敵なのでちょっとこっちも吃驚してしまった。眼鏡をかけていたのだが、その奥の瞳が夕日に反射して輝いていて、僕の心はすっかりその瞳に吸い込まれてしまいました、みたいな感じだろうか。とにかく、何故かわからないが動揺してしまい、それ以上食い下がることが出来なかった。「貴女があまりにも綺麗で、気が付いたら声をかけていました」なんてクッサイ台詞を言えるようになれればナンパ師としては一人前か。彼女は絶対に撮りたいなぁ。明日同じ場所で待っていたら会えるだろうか。あの辺りで働いているようであったし。